ジョルジュサンク

もうずっと昔、ケーキの知識とか全くないのに働き始めたケーキ屋がありました。

厳密にはデパ地下とかで惣菜を販売しているデリカテッセンの会社が、新しく始めた事業でした。

そもそもケーキ自体をあまり食べた事がなかった。私が子供の頃とかは、ケーキ屋もほとんどありませんでしたからね。

なので、何を見ても何を食べても驚きばかりでした。

そんな中で作り方を教わったケーキ。

個人的に好きなので、時にはアレンジしたりして、ずっと作っています。

ザッハトルテのようにバターを主体として、溶かしたチョコレートを練りこんで焼いた生地。メレンゲで膨らませています。

こう言う生地はメレンゲを混ぜる前の状態が大事です。十分に滑らかで、ある程度の温度がないと、メレンゲがきれいに混ざりません。

もちろんメレンゲの状態も大切で、ゆっくりとホイップした方がいいですね。

なかなか上手く焼けなくて悩んだものです。状態が良くないと、芯が出来るんですよ。

センターにサンドするジャポネと言う生地は、いわゆるシュクセですね、あまり気泡を入れないように作ったメレンゲに粉末のアーモンドとケーキクラム(他のケーキで余ったスポンジを乾燥させたもの)を混ぜて、比較的低温でカリカリになるまで焼いています。

クリームは2種類使います。

ひとつはクレーム・オ・ブール(バタークリーム)。卵黄をたくさん入れたタイプです。教わったのはオレンジのペーストを入れていましたが、入れない方が好みですかね。そのうち気分で何か入れるかもしれませんけど。

それとガナッシュと言うチョコレートと生クリームを混ぜた物。これはいろんなお菓子でとても良く使われるクリームです。お酒やナッツを入れたり、アレンジもしやすいですし。

本来は生クリームを沸騰させて、チョコレートに混ぜて作っていました。今でもこう言う作り方をしているパティシエは多いかもしれません。

ただこの方法は塗りやすい状態に持っていくのに時間がかかります。冷まさないといけないですし。

ですので、チョコレートが凝固する温度を少し超える程度まで生クリームを温めて、溶かしたチョコレートに混ぜて作っています。温度計できちんと計れば、誰がいつ作っても同じ状態になります。それにトータルでの作業時間が短くてすみます。

働き方改革ではないですけど、品質とか衛生的に問題がなければ、いい意味で手を抜く方法を考えるのも大事です。

スポンジにはオレンジのリキュールを染み込ませています。お酒に頼る香りは時代遅れと言う考え方もありますけど、いろいろバリエーションがあった方がいいですよね。

要するにとても美味しいケーキです。チョコレートの品質も昔に比べても格段にいいですし。

ネーミングはイギリスの王様の名前ですね。パリにも同じ名前の通りがありますけど。他で見かけた事がないので、当時のシェフのオリジナルなのかもしれません。

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